

SBK第7戦ミサノのポールポジションはトム・サイクス(カワサキ・レーシングチーム)が獲得した。
気温28度、路面温度33度のドライコンディションで行なわれた予選2回目はサイクスがトップタイムをマーク。唯一の1分35秒台をマークし、暫定ポールポジションを獲得した。初日を制したカルロス・チェカ(アルテア・レーシング) が2番手。3番手に続いたのはチェカのチームメイト、ダビデ・ジュリアーノ(アルテア・レーシング)。またヤコブ・シュムルツ(リバティーレーシング・チームエフェンバート)、ワイルドカード参戦のマティオ・バイオッコ(バーニ・レーシングチーム・イタリア)が6位、7位、シルバン・ギュントーリ(チームエフェンバート・リバティーレーシング)が9位とトップ10に5台のドゥカティマシンが入った。
午後のスーパーポール。直前に上空が黒い雲に覆われてパラパラと雨粒が落ち、2回のセッションで争われるウエットスーパーポールが宣言された。
セッションのスタート時には再び薄日が差し、タイヤチョイスの難しい判断を迫られた。予選上位陣はピットでじっと様子を見ている。セッション開始から5分ほど経過し、チェカ、レイ、サイクスら上位陣が次々にコースイン。残り5分を切り、レイが1分38秒717でトップに立つ。翌周にレイは1分37秒678とタイムを更新。残り2分を切りサイクス、アイルトン・バドビーニ、再びサイクスと目まぐるしくトップが入れ替わり、終わってみれば1分36秒286でスーパーポール1はサイクスがトップ。そして信じられないことに、ポイントリーダーのマックス・ビアッジ(アプリリア・レーシングチーム)が10番手、マルコ・メランドリ(BMWモトラッド・モータースポーツ)が13番手、カルロス・チェカ(アルテア・レーシング)が16番手とランキング上位につけるライダーたちがここでアタック終了となってしまった。
8台でのスーパーポール2。セッション開始早々にサイクスが1分35秒375をたたき出して他を突き放す。しかし変わらず難しいコンディションであることを、シルバン・ギュントーリ(チームエフェンバート・リバティーレーシング)の転倒が示していた。2番手以降は1分36秒台でアタック合戦を展開。残り4分を切ってレイが1分35秒991をマーク。しかし追撃もそこまで。サイクスがそのまま今季5度目のポールポジション獲得となった。 以下レイ、バドビーニ、ジュリアーノとカワサキ、ホンダ、ドゥカティ、BMWが1台ずつフロントロウに並ぶことになった。
また、青山 博一(ホンダ・ワールドスーパーバイク・チーム)はスーパーポール進出を逃し、20番手グリッドから決勝を迎える。
SBK第7戦SBKのレース1はマックス・ビアッジ(アプリリア・レーシングチーム)が優勝した。
好スタートを切ってレースをリードしたのはジョナサン・レイ(ホンダ・ワールドスーパーバイク・チーム)。トム・サイクス(カワサキ・レーシングチーム)、レオン・ハスラム(BMWモトラッド・モータースポーツ)、ダビデ・ジュリアーノ(アルテア・レーシング)が続き、4台でトップ争いを開始する。ここに1周目の8番手から追い上げてきたマルコ・メランドリ(BMWモトラッド・モータースポーツ)が加わり、トップ集団に加わる。同時にレイが集団から抜けだして逃げにかかる。2番手争いに転じた4台には10番手スタートのビアッジ(アプリリア・レーシングチーム)が加わり、5台での戦いが開始。
レース中盤、メランドリ、サイクスが集団から脱落。替わってカルロス・チェカ(アルテア・レーシング)が2位グループに加わる。同時にレイのペースが上がらず、レイ、ジュリアーノ、ビアッジ、ハスラム、チェカの面子に。
17周目にトップはジュリアーノに替わる。逆にレイは一気にポジションを落とし、集団から脱落していく。さらにハスラムも脱落。ジュリアーノ、ビアッジ、チェカの三つどもえのトップ争いが始まった。
ラスト3周。ジュリアーノもペースダウン。ビアッジがトップに浮上。ここからビアッジとチェカの一騎打ちが開始された。チェカは最後までビアッジに食らいついたが、ビアッジはそのままトップの座を守りきり、今季2勝目を挙げた。
レース2もマックス・ビアッジ(アプリリア・レーシングチーム)が優勝し、ダブルウインを決めた。
午前中にコース上を覆っていた不穏な雲は去り、午後は青空が広がった。ホールショットを奪ったのはトム・サイクス(カワサキ・レーシングチーム)。ジョナサン・レイ(ホンダ・ワールドスーパーバイク・チーム)、ロケットスタートを決めてするすると上がってきたビアッジ、ダビデ・ジュリアーノ(アルテア・レーシング)、レオン・ハスラム(BMWモトラッド・モータースポーツ)と続く。
2周目にビアッジが2番手浮上。サイクスを追う。レイは後退してジュリアーノと3位争いの様相。その間にサイクスとビアッジのトップ争いは一騎打ちに持ち込もうとする。
3周目。7番手を走行していたカルロス・チェカ(アルテア・レーシング)が転倒。すぐにマシンを起こしてコース復帰したものの、そのままピットに戻ってリタイアとなってしまう。
2番手争いはレイとジュリアーノにハスラム、ユージン・ラバティ(アプリリア・レーシングチーム)、アイルトン・バドビーニ(BMWモトラッド・イタリア・ゴールドベット)、マルコ・メランドリ(BMWモトラッド・モータースポーツ)が加わり混戦に。
4周目にビアッジがトップに浮上。一人1分36秒台で周回を開始して後続を引き離しにかかる。取り残されたサイクスがセカンド集団に飲み込まれようとした瞬間、集団を引っ張っていたジュリアーノが転倒。セカンド集団からハスラムとレイが抜け出し、サイクスを飲み込んで3台での2位争いを開始。その間にビアッジは4秒以上のアドバンテージを築いた。
一時は二組に分かれたセカンド集団は再び一つの集団になり、6台での2位争いを展開。11周目にレイが集団トップに立ってハイペースでビアッジを追い始めた。追従できたのはハスラム。2台は集団から抜けだして2位争いを繰り広げながら必死にビアッジを追う。しかしビアッジは周回ごとに少しずつアドバンテージを広げる一方。2位争いの2台を追いかけるのはメランドリとバドビーニの2台。
ビアッジは最後まで危なげない走りでトップを独走。ダブルウインを飾った。2位争いはレイが制し、ハスラムは3位表彰台を獲得。ビアッジはタイトル争いでも2位に浮上したレイに38.5ポイントの差をつけて独走体制に入った。
また、20番手グリッドからスタートした青山 博一(ホンダ・ワールドスーパーバイク・チーム)は追い上げて12位でフィニッシュした。